医療情報についてのご注意
当サイトは医療機関ではありません。掲載内容は添付文書や学会のガイドラインなどの公開資料を整理したもので、効果・安全性・適応を保証するものではなく、医師の診断・治療の推奨に代わるものではありません。本記事は資料の記載を並べたものであり、どちらの薬がよいかを述べるものではありません。薬を使うか、変えるか、やめるかは、自己判断で決めず医師にご相談ください。(本記事の確認日:2026年11月4日)
フィナステリドとデュタステリドの違い|プロペシアとザガーロを添付文書で比較、勃起不全の数字・女性・献血
フィナステリド(製品名プロペシアなど)とデュタステリド(製品名ザガーロなど)は、どちらも男性の薄毛(男性型脱毛症、AGA)に使う飲み薬です。どっちがいいのか、副作用はどう違うのかを調べている人に向けて、医師向けの説明書である添付文書を項目ごとに横に並べました。
使った資料は、プロペシアとザガーロの添付文書、それぞれの患者向医薬品ガイド、日本皮膚科学会の診療ガイドライン2017年版などです。確認日は2026年11月4日です。
先に書いておくと、この記事はどちらが良いかを決めません。添付文書の副作用の数字は別々の試験のものなので、単純に比べられないからです。薬を選ぶ・変える・やめるときは、処方する医師に相談してください。
先に答え:フィナステリドとデュタステリドの違いは?どっちがいい?(2026年11月4日確認)
- 作用の違い:フィナステリドは5α還元酵素のII型を抑え、デュタステリドはI型とII型の両方を抑える薬と、添付文書に書かれています。
- どっちがいい:同じ試験で比べた24週の結果はありますが、ガイドラインは「両者の効果差については今後さらなる検討を要する.」と書いています。推奨度はどちらも男性型脱毛症にA、女性型脱毛症にDです。
- 勃起不全の数字:ザガーロは国内長期試験で10.8%(13/120例)、国際試験で4.3%(24/557例)、プロペシアは国内試験で0.7%(2/276例)です。試験の人数・期間・用量が違うので、単純には比べられません。
- やめたあと:性機能の副作用について、両方の添付文書に投与中止後も続いたとの報告が書かれています。ガイドラインはフィナステリドについて「内服を中止すると効果は消失する.」と書いています。
- 女性:ザガーロは女性全体が禁忌、プロペシアは妊婦・妊娠している可能性のある女性・授乳中の女性が禁忌で、女性への適応はありません。ガイドラインはどちらも女性型脱毛症には行うべきではないとしています。
- 献血:大阪府と福岡県の赤十字血液センターの案内では、フィナステリドは服薬中止後1カ月、デュタステリドは服薬中止後6カ月、献血できません。
- プロペシアの販売中止:製造販売元の案内を読んだ範囲では、販売中止の案内を見つけられませんでした。
出典は記事末尾の資料。
この記事の作り方
- プロペシアの添付文書(2023年8月改訂 第4版)とザガーロの添付文書(2025年8月改訂 第2版)を、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のページで読みました。
- プロペシアの患者向医薬品ガイド(2025年12月作成)とザガーロの患者向医薬品ガイド(2021年8月更新)を、製造販売元のサイトで読みました。
- 日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」を読みました。学会のガイドライン一覧に載っている男性型脱毛症の版が、この2017年版であることも確かめました。
- 献血は、大阪府と福岡県の赤十字血液センターの案内で確かめました。
- プロペシアの販売の状況は、オルガノンの医療関係者向けサイトの製品ページとお知らせの一覧、PMDAの一般名の一覧で確かめました。
- 確認日はすべて2026年11月4日です。
- 載せないもの:口コミ・体験談・ビフォーアフター・ランキング。クリニックのコラムやブログは根拠にしていません。「くすりのしおり」のページはメンテナンス中で読めなかったので、根拠にしていません。
フィナステリドとデュタステリドの違い:添付文書を横に並べた表
まず基本の項目です。どちらも医師の処方が必要な薬で、保険は使えません。
| 項目 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 製造販売元 | オルガノン株式会社 | グラクソ・スミスクライン株式会社 |
| 形と含有量 | 錠剤 0.2mg・1mg | カプセル 0.1mg・0.5mg |
| 効能又は効果 | 「男性における男性型脱毛症の進行遅延」 | 「男性における男性型脱毛症」 |
| 用法及び用量 | 「男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。」 | 「男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。」 |
| 効果を見る期間 | 「効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。」 | 「治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。」 |
| 6か月で変わらないとき | 「本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。」 | 「本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。」 |
| 禁忌(使えない人) | 「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」「妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性」 | 「本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者」「女性」「小児等」「重度の肝機能障害のある患者」 |
| 規制の区分 | 劇薬・処方箋医薬品 | 劇薬・処方箋医薬品 |
| 保険 | 「本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。」 | 「本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。」 |
| ガイドラインの推奨度 | A(男性型脱毛症)、D(女性型脱毛症) | A(男性型脱毛症)、D(女性型脱毛症) |
効能の書き方は、プロペシアが「進行遅延」、ザガーロは「進行遅延」の語がない形で、言葉が違います。なぜ違うのかは添付文書に書かれていません。
フィナステリドとは?デュタステリドとは?成分と作用の違い(5α還元酵素のI型・II型)
どちらも、テストステロンという男性ホルモンがジヒドロテストステロン(DHT)に変わるのを妨げる薬です。変換を担う酵素が5α還元酵素で、抑える型が違います。
| 薬 | 薬効分類名 | 作用機序の記載 |
|---|---|---|
| プロペシア(フィナステリド) | 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 | 「フィナステリドは、5α-還元酵素Ⅱ型を選択的に抑制することによりテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害し、発毛作用を示すものと考えられる。」 |
| ザガーロ(デュタステリド) | 5α還元酵素1型/2型阻害薬 | 「デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害する。」 |
ザガーロの添付文書には、男性型脱毛症の男性に24週間飲んでもらった試験で、血液中のDHTの変化が0.1mgで-83.6%、0.5mgで-90.9%、プラセボ(有効成分の入っていない薬)で-6.2%と書かれています(調整済み平均値、40例、0.5mgは39例)。プロペシアの添付文書には、同じ形の数字はありません。
デュタステリドとフィナステリドはどっち?同じ試験で比べた数字
2つの薬を同じ試験の中で比べた結果が、ザガーロの添付文書に載っています。20歳から50歳の男性型脱毛症の男性917例(日本人200例を含む)に、24週間飲んでもらった国際共同試験です。頭頂部の直径2.54cmの円の中の毛髪の本数を、飲み始めと比べています。
| 飲んだ薬 | 24週時の例数 | 変化量(本) | フィナステリド1mgとの差 |
|---|---|---|---|
| プラセボ | 148 | -4.9 | - |
| デュタステリド0.1mg(通常の量) | 158 | 63.0 | 6.5(p=0.56) |
| デュタステリド0.5mg(必要に応じて使う量) | 150 | 89.6 | 33.0(p=0.003) |
| フィナステリド1mg | 141 | 56.5 | - |
添付文書の結論は「本剤0.1及び0.5mgのプラセボに対する優越性及びフィナステリド1mgに対する非劣性が検証された」です。非劣性とは、決めた幅より劣らないことを確かめたという意味です。
読むときに気をつけたい点が3つあります。
- 比べたフィナステリドは1mgです。プロペシアの通常の量は0.2mgです。
- 期間は24週です。長く飲んだときの差を示す試験ではありません。
- この試験のフィナステリド1mgの群の副作用の頻度は、ザガーロの添付文書には書かれていません。
日本皮膚科学会のガイドラインは、同じ国際試験のデュタステリド0.5mgとフィナステリド1mgについて、全毛髪数と毛の太さの増加はデュタステリドが優れていた一方、直径60μm以上の硬毛の数では有意な差がなかったと紹介しています。3名の専門家による写真の評価でも点数の差は頭頂部で0.14、前頭部で0.24とわずかだったとしたうえで、「両者の効果差については今後さらなる検討を要する.」と書いています。
ガイドラインの推奨文はそれぞれ次のとおりで、推奨度はどちらも男性型脱毛症にAです。
- フィナステリド:「男性型脱毛症にはフィナステリドの内服を行うよう強く勧める.一方,女性型脱毛症には行うべきではない.」
- デュタステリド:「男性型脱毛症にはデュタステリド内服を行うよう強く勧める.一方,女性型脱毛症には行うべきではない.」
つまり、資料からはどちらが良いかを決められません。この先の副作用の表と、記事の後ろの医師への質問を、受診のときの材料にしてください。
フィナステリドとデュタステリドの副作用:勃起不全・性欲(リビドー減退)の頻度
読者がいちばん気にする数字を、試験ごとに分けて並べます。試験が別なので、薬どうしの頻度を単純に比べることはできません。
| 試験 | 対象・用量・期間 | 副作用全体 | 勃起不全 | リビドー減退(性欲の低下) | そのほか |
|---|---|---|---|---|---|
| ザガーロ 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験) | 20歳から50歳の120例、0.5mg、52週間 | 16.7%(20/120例) | 10.8%(13/120例) | 8.3%(10/120例) | 射精障害4.2%(5/120例) |
| ザガーロ 国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験 | 0.02mg・0.1mg・0.5mgを合わせた557例、24週間 | 17.1%(95/557例) | 4.3%(24/557例) | 3.9%(22/557例) | 精液量減少1.3%(7/557例) |
| プロペシア 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験 | 24歳から50歳、0.2mgと1mgを合わせた276例、48週間 | 0.2mgで1.5%(2/137例)、1mgで6.5%(9/139例)、プラセボで2.2%(3/138例) | 0.7%(2/276例) | 1.1%(3/276例) | 性機能に関する副作用は0.2mgで1.5%(2/137例)、1mgで2.9%(4/139例)、プラセボで2.2%(3/138例) |
比べられない理由は次のとおりです。
- 試験が別で、人数も期間も違います。
- 用量が違います。ザガーロの10.8%は0.5mgの試験で、通常の量の0.1mgだけの頻度は添付文書に分けて書かれていません。
- プロペシアの国内試験にはプラセボの群があり、性機能の副作用はプラセボでも2.2%(3/138例)ありました。ザガーロの国内長期試験の記載に、プラセボの群の数字はありません。
プロペシアの国内長期投与試験(通算96週)では、長期投与試験の期間中の副作用が1.1%(4/374例)と書かれています。
ガイドラインにも数字がありますが、添付文書とは少し違います。ガイドラインは、デュタステリドの国際臨床試験の有害事象の頻度を、リビドー減少3.3%、インポテンツ5.4%、射精障害3.3%としています。国内の120例・52週間の試験では、リビドー減少8.3%、インポテンツ11.7%、射精障害5.0%です。添付文書の数字と違う理由は、読んだ資料には書かれていません。そのうえで、ガイドラインは「投与にあたっては添付文書の記載をよく読んだ上で,性機能障害を含めた副作用についても十分な説明と同意が必要である.」と書いています。
ガイドラインはフィナステリドについて、12件のランダム化比較試験を解析した研究で、性機能障害の相対危険度が1.39(95%信頼区間0.99〜1.95)と、プラセボより上昇する傾向があると紹介しています。
勃起不全や性欲の低下は、やめれば治る?
資料からは、やめれば元に戻るとも戻らないとも言えません。どちらの添付文書にも、続いたとの報告が書かれています。
- プロペシア:リビドー減退・勃起機能不全・射精障害について、「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。」
- ザガーロ:性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)について、「投与中止後も持続したとの報告がある。」
どのくらいの割合で続くのか、どのくらいの期間続くのかは、どちらの添付文書にも書かれていません。症状があるときは、自己判断で続けたりやめたりせず、処方した医師に相談してください。
そのほかの副作用と、添付文書の注意の違い
| 項目 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 性機能の区分 | リビドー減退は1〜5%未満。勃起機能不全・射精障害・精液量減少は1%未満 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)は1%以上 |
| 乳房 | 乳房圧痛、乳房肥大(頻度不明) | 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)は1%未満 |
| 気分 | 抑うつ症状(頻度不明) | 抑うつ気分は1%未満 |
| 自殺に関する注意 | 「本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている。」 | 添付文書に自殺の語を見つけられませんでした |
| 精子・精液 | 男性不妊症・精液の質低下(頻度不明)。「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。」 | 海外の27例の試験(0.5mg、52週間)で、総精子数の平均減少率23%、精液量26%、精子運動率18%。「デュタステリドの精液特性に及ぼす影響が、個々の患者の受胎能に対しどのような臨床的意義をもつかは不明である。」 |
| 精液への移行 | 精液中への移行量は「極めて微量(投与量の0.00076%以下)」(1mg、6週間、外国人データ) | 「精液中/血清中薬物濃度比は平均11.5%」(0.5mg、外国人データ) |
| 皮膚・体毛 | そう痒症、じん麻疹、発疹など(頻度不明) | 発疹は1%未満。脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症は頻度不明 |
| 前立腺癌の報告 | 海外の健康男性18,882例の7年間の試験(5mg=承認用量の5〜25倍)で、悪性度の高い前立腺癌(Modified Gleason Score 8〜10)がプラセボ1.1%、5mg 1.8% | 50〜75歳の男性8,231例の4年間の国際共同試験で、悪性度の高い前立腺癌(Modified Gleason Score 8〜10)がプラセボ0.5%、デュタステリド1.0% |
| 男性乳癌 | 市販後の報告あり。「フィナステリド長期投与と男性乳癌の発現との因果関係は不明である。」 | 前立腺肥大症の患者で報告あり。「デュタステリドと男性乳癌の発現との関連性は不明である。」 |
| 飲み合わせ | 添付文書に相互作用(併用注意)の項がありません。薬物動態の項に、オメプラゾールなどとの併用試験で薬物相互作用は認められなかったとの記載があります | CYP3A4を妨げる薬(リトナビル等)に併用注意。「これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。」 |
頻度の区分も前立腺癌の数字も、試験や対象が別なので、薬どうしを単純に比べることはできません。精液への移行の数字は、測っているものが違います。
プロペシアの添付文書は、自殺念慮又は自殺企図があらわれた場合について「本剤の服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導すること。」と書いています。うつ病やうつ状態、その既往がある人なども注意の対象に挙げています。ザガーロの添付文書に同じ記載が無いことを、デュタステリドなら心配がないという意味に読まないでください。記載の違いの理由は書かれていません。どちらの薬でも、気分の変化があるときは処方した医師に伝えてください。
つらい気持ちがあるときは、薬のことに限らず、厚生労働省の「まもろうよ こころ」のページに電話やSNSの相談窓口がまとめられています(まもろうよ こころ)。
フィナステリド・デュタステリドと女性:飲む・触れるの注意
女性に関する書き方も、2つの添付文書で違います。妻やパートナーと同じ家で薬を置く人は、ここを読んでください。
| 項目 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 女性への使用 | 「女性に対する適応はない。海外で実施した閉経後女性の男性型脱毛症を対象とした12ヵ月間のプラセボ対照二重盲検比較試験(n = 137)において、フィナステリドの有効性は認められなかった」 | 禁忌。「女性には投与しないこと。」 |
| 妊娠への影響の記載 | 「本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。」 | 「ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。」 |
| 触れることの注意 | 「本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。」「本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。」 | 「本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。」 |
| 割る・開ける | 「本剤を分割・粉砕しないこと。」 | 「カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用させること。」 |
| 小児 | 「小児等に対する適応はない。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。」 | 禁忌。「小児等には投与しないこと。」 |
ガイドラインによると、女性型脱毛症に対するデュタステリドは「女性型脱毛症に対するデュタステリドの臨床試験は実施されていない.」とされ、推奨度はフィナステリドと同じくDです。女性の薄毛の治療の費用については女性のAGA(FAGA)の料金比較にまとめています。
肝機能の注意:フィナステリドとデュタステリドの違い
| 項目 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 肝機能障害のある人 | 「本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。」 | 重度は禁忌。「投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。」重度以外は「本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害のある患者に投与した場合の薬物動態は検討されていない。」 |
| 重大な副作用 | 肝機能障害(頻度不明) | 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。「AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。」 |
| 検査値 | AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇(頻度不明) | 上の「重大な副作用」の記載のとおり |
患者向医薬品ガイドは、肝機能障害の主な自覚症状として、どちらも疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振を挙げています。ザガーロのガイドは黄疸の症状として、白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体がかゆくなるも挙げています。こうした症状があるときは、ただちに医師または薬剤師に相談するよう書かれています。肝臓の検査の間隔は、どちらの添付文書にも書かれていません。
PSA(前立腺の検査の値)への影響
PSAは前立腺の病気を調べる血液検査の値です。どちらの薬もこの値を下げるので、健康診断や人間ドックで検査を受けるときは注意が要ります。
| 項目 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 値の変化 | 「血清前立腺特異抗原(PSA)の濃度が約40%低下した。」(国内の24歳から50歳の男性型脱毛症の患者) | 「投与6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる。」(前立腺肥大症の患者に0.5mg/日。男性型脱毛症の患者でも減少すると推測されると書かれています) |
| 値の見方 | 「前立腺癌診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、2倍した値を目安として評価すること。」 | 「本剤を6ヵ月以上投与している患者のPSA値を評価する際には、測定値を2倍した値を目安として基準値と比較すること。」 |
| やめたあと | 記載を見つけられませんでした | 「PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。」 |
どちらの患者向医薬品ガイドにも「この薬を飲んでいることを検査を行う医師に伝えてください。」とあります。
フィナステリド・デュタステリドと献血
2つの添付文書に、献血の語はありません。答えは赤十字血液センターの案内にあります。大阪府赤十字血液センターは、治療終了後に一定期間献血をお願いできないものとして、次のように書いています。
- 「AGA治療薬(フィナステリド、プロペシア、プロスカー等)【服薬中止後1カ月間は不可】」
- 「AGA治療薬(デュタステリド、ザガーロ、アダボート等)【服薬中止後6カ月間は不可】」
福岡県赤十字血液センターの案内にも、同じ1カ月と6カ月が書かれています。大阪府の案内は「献血にご協力いただけるか否かについては、当日の健診医師が最終的に判断します。」とも書いています。献血の前に、薬の名前を伝えてください。日本赤十字社のページでは、服薬などの献血基準を調べるチャットボットも案内しています。
なぜ1カ月と6カ月に分かれるのかは、読んだ案内に書かれていません。添付文書には、薬が体から消える速さの記載があります。プロペシアは健康成人に17日間飲んでもらったあとの半減期(血中の濃度が半分になる時間)が約4時間です。ザガーロは0.1mgと0.5mgを24週間飲んだあと、血液中の濃度が測れる下限を下回ったのは、最後に飲んでからそれぞれ12週と20週でした(外国人データ)。
飲み忘れたらどうする?飲むタイミング
添付文書に飲み忘れの語はありません。患者向医薬品ガイドに、2つとも同じ文で書かれています。
「決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分飲んでください。」
食事との関係は、プロペシアは「本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。」と書かれています。ザガーロは、食後に飲むと吸収の値が少し変わるものの「なお、この変化は臨床上影響を与えるものではない。」と書かれています。飲む時刻の指定は、どちらの添付文書にもありません。
やめたらどうなる?いつまで続ける?
資料の書き方を並べます。薬ごとに、書かれている範囲が違います。
| 資料 | プロペシア(フィナステリド) | ザガーロ(デュタステリド) |
|---|---|---|
| 添付文書 | 「また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。」 | 「また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。」 |
| 患者向医薬品ガイド | 2つとも「この薬は、体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがあります。」 | |
| ガイドライン | 「少なくとも6カ月程度は内服を継続し効果を確認すべきである」「内服を中止すると効果は消失する.」 | 「1年を超える長期投与での効果や投与中止後の毛髪量変化については検討されていない.」 |
プロペシアの添付文書にも、6か月以上飲む場合は定期的に効果を確認し、続ける必要があるかを検討すると書かれています。つまり、資料はずっと飲み続けるようにと言い切っているのではなく、6か月で効果を確認し、そのあとも定期的に見直す形です。
いつまで飲むかという終わりの時期は、どの資料にも書かれていません。やめるかどうかは、自己判断でなく医師と決めてください。解約や定期便の扱いはAGA治療の解約・返金の比較、費用はDMMオンラインクリニックのAGA料金の整理などにまとめています。
何歳まで飲める?何歳から?
下の年齢の線は、2つの添付文書とも同じで「20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない。」です。
上の年齢の線(何歳まで)は、どちらの添付文書にも書かれていません。プロペシアの添付文書には「高齢者における有効性は確立していない。」とあります。ザガーロの添付文書には高齢者の項が無く、薬の体内での動きを調べた試験の記載があるだけです。試験の対象は、プロペシアの国内試験が24歳から50歳、ザガーロの2つの試験が20歳から50歳です。
初期脱毛は添付文書に書いてある?
初期脱毛という語は、プロペシアとザガーロの添付文書、患者向医薬品ガイド、ガイドラインのどれにも見つけられませんでした。
ガイドラインに近い記載があるのは、飲み薬ではなくミノキシジルの塗り薬の節で、「ミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり」と書かれています。詳しくはAGAの初期脱毛はいつまで?の記事に分けました。治療を始めてから抜け毛が増えたと感じたら、自己判断でやめずに医師に相談してください。
ジェネリックはある?
同じ有効成分の別の製品(いわゆるジェネリック)は、どちらにもあります。PMDAの一般名ごとの一覧を2026年11月4日に数えました。
| 一般名 | 行数 | 内訳 |
|---|---|---|
| フィナステリド | 13行 | プロペシア1行、フィナステリド錠12行 |
| デュタステリド | 16行 | ザガーロ1行、デュタステリド錠5行、デュタステリドカプセル10行 |
販売元が違うだけの行も別に数えています。一覧の中でザガーロはカプセルですが、同じ成分の製品には錠剤もあります。添付文書は製品ごとにあるので、処方された製品の添付文書を確かめるか、薬剤師に聞いてください。値段は処方するクリニックごとに違うので、この記事では扱いません。
この記事の資料は、日本で承認された製品のものです。海外の製品の個人輸入は、この記事では勧めません。どちらの添付文書にも、医師等の処方箋により使用する薬と書かれています。
プロペシアは販売中止?
2026年11月4日に次の資料を読んだ範囲では、プロペシアの販売中止の案内を見つけられませんでした。販売が続くかどうかを断定するものではありません。
- オルガノンの医療関係者向けサイトの「製品に関するお知らせ」の一覧(2026年の分)と、供給関連の一覧(2020年から2026年の分):同社の別の製品の販売中止の案内はありましたが、プロペシアを対象にしたものは見つけられませんでした。
- 同じサイトのプロペシアの製品ページ:包装の変更が案内されています。0.2mgは「2026年6月(在庫により変動)以降、順次切り替わります。」、1mgのPTP14錠×2は「PTP14錠×2:2025年12月(在庫により変動)以降、順次切り替わります。」です。識別コードの削除などの変更です。
- 同じサイトのプロペシアのトップページ:2025年12月1日に患者向医薬品ガイドを更新したとあります。
- PMDAの一般名の一覧:プロペシアの行があります。
どの薬局やクリニックで扱っているかは、この資料からは分かりません。処方を受けているクリニックか、製造販売元のオルガノンに確かめてください。
公式の資料に書かれていないこと
プロペシアとザガーロの添付文書・患者向医薬品ガイド、ガイドライン2017年版を読んだ範囲で、次の記載を見つけられませんでした。
- 2つの薬の副作用の頻度を同じ条件で並べた数字(同じ国際試験のフィナステリド群の副作用も、ザガーロの添付文書にはありません)
- ザガーロ0.1mgだけの副作用の頻度
- 投与中止後に性機能の副作用が続く割合と期間
- フィナステリドからデュタステリドへ、またはその逆へ変えるときの進め方
- 飲み始めてから抜け毛が増える時期や期間(初期脱毛)
- 何歳まで飲めるかの上限
- お酒との関係(アルコール・飲酒の語がありません)
- ED治療薬(タダラフィル・シルデナフィル)や亜鉛との飲み合わせ(どの語もありません)
- 肝臓の検査をどのくらいの間隔で受けるか
- 妊活中のカップルが薬をいつやめればよいか
当てはまることがある人は、推測で判断せず、医師か薬剤師に聞いてください。
受診のときに医師に確認しておきたいこと
- 私の場合、フィナステリドとデュタステリドのどちらを勧める理由は何ですか?
- 最初の量は何mgですか?増やすとしたら、どんなときですか?
- 処方される薬は先発品ですか、ジェネリックですか?錠剤ですか、カプセルですか?
- 勃起不全や性欲の低下が出たら、どのタイミングで誰に連絡すればよいですか?
- うつ病やうつ状態の既往があるのですが、飲んでも大丈夫ですか?
- 肝臓の持病や数値の異常があるのですが、検査は必要ですか?
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- 6か月たったら、何で効果を判断しますか?変わらなければどうしますか?
- やめたいと思ったら、どう進めればよいですか?
よくある質問
フィナステリドとは何の薬ですか?
男性の男性型脱毛症に使う飲み薬の成分で、先発の製品名はプロペシアです。添付文書の効能は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」で、医師の処方が必要です。保険は使えません。
デュタステリドとフィナステリドの違いは何ですか?
いちばんの違いは、抑える酵素の型です。フィナステリドは5α還元酵素のII型、デュタステリドはI型とII型の両方です。通常の量(0.2mgと0.1mg)、女性に関する禁忌の範囲、献血できない期間(1カ月と6カ月)も違います。
フィナステリドとデュタステリドはどっちがいいですか?
資料からは決められません。同じ国際試験の24週の結果で、デュタステリドはフィナステリド1mgに対する非劣性が検証されていますが、ガイドラインは「両者の効果差については今後さらなる検討を要する.」と書き、推奨度はどちらもAです。副作用の数字は試験が別なので単純に比べられません。持病や希望を伝えて医師と決めてください。
副作用の勃起不全や性欲の低下は、やめれば治りますか?
資料からは言い切れません。両方の添付文書に投与中止後も続いたとの報告が書かれていますが、その割合や期間は書かれていません。症状があるときは処方した医師に相談してください。
フィナステリドやデュタステリドをやめたらどうなりますか?
ガイドラインはフィナステリドについて「内服を中止すると効果は消失する.」と書いています。デュタステリドについては、投与中止後の毛髪量の変化は検討されていないと書いています。やめるかどうかは医師と決めてください。
女性がフィナステリドやデュタステリドを飲んだり触れたりしてもよいですか?
飲む薬としては使いません。ザガーロは女性が禁忌で、プロペシアも女性への適応がなく、妊婦・妊娠している可能性のある女性・授乳中の女性は禁忌です。触れることについても、ザガーロは漏れた薬剤に触れないこと、プロペシアは粉砕・破損した錠剤を妊婦などが取り扱わないことと書かれています。
フィナステリドやデュタステリドを飲んでいても献血できますか?
大阪府と福岡県の赤十字血液センターの案内では、服薬中止後、フィナステリドは1カ月、デュタステリドは6カ月は献血できません。最終的には当日の健診医師が判断するので、薬の名前を伝えてください。
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出典
- プロペシア錠0.2mg/1mg 添付文書(2023年8月改訂 第4版・PMDA)(2026年11月4日確認)
- ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書(2025年8月改訂 第2版・PMDA)(2026年11月4日確認)
- プロペシア錠 患者向医薬品ガイド(2025年12月作成・オルガノン)(2026年11月4日確認)
- ザガーロカプセル 患者向医薬品ガイド(2021年8月更新・グラクソ・スミスクライン)(2026年11月4日確認)
- 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(2026年11月4日確認)
- 日本皮膚科学会 ガイドラインの一覧(2026年11月4日確認)
- 大阪府赤十字血液センター 献血いただく前にご確認ください(2026年11月4日確認)
- 福岡県赤十字血液センター 服薬と献血について(2026年11月4日確認)
- 日本赤十字社 献血をご遠慮いただく場合(2026年11月4日確認)
- オルガノン プロペシア錠0.2mg・1mg 製品ページ(医療関係者向けサイト)(2026年11月4日確認)
- オルガノン プロペシア トップページ(医療関係者向けサイト)(2026年11月4日確認)
- オルガノン 製品に関するお知らせ一覧(医療関係者向けサイト)(2026年11月4日確認)
- オルガノン 供給関連情報(医療関係者向けサイト)(2026年11月4日確認)
- PMDA 一般名 フィナステリドの一覧(2026年11月4日確認)
- PMDA 一般名 デュタステリドの一覧(2026年11月4日確認)
- 厚生労働省 まもろうよ こころ(2026年11月4日確認)