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医療情報についてのご注意

当サイトは医療機関ではありません。掲載内容は添付文書・審査報告書・厚生労働省・学会などの公開資料を整理したもので、効果・安全性を保証するものではなく、医師の診断・治療に代わるものではありません。マンジャロ(チルゼパチド)の効能は2型糖尿病で、肥満治療目的・痩身目的での使用は国内で承認されていない目的での使用にあたります。使用の可否・量・リスクは必ず医師・薬剤師にご相談ください。(本記事の確認日:2026年10月31日)

マンジャロを打ち忘れたら?72時間の決まりと打つ場所・増量・2.5mg2本・保管・お酒を添付文書で整理

マンジャロ(成分名:チルゼパチド)を処方された人が、毎週の生活の中で迷いやすいこと――どこに打つか・何曜日に打つか・打ち忘れたらどうするか・いつ量が上がるか・冷蔵庫に入れるか・どう捨てるか・お酒やほかの薬はどうか――を、添付文書(医療用の正式な説明書)などの公的な資料の書き方のまま整理しました。同じ成分のゼップバウンドと、別の成分(セマグルチド)のウゴービも並べています。確認日は2026年10月31日です。

はじめに前提です。マンジャロの添付文書の効能・効果は「2型糖尿病」だけです。厚生労働省は、マンジャロなどを痩せる目的で使うことについて、「これらの医薬品を美容・痩身・ダイエット目的で使用した場合の安全性及び有効性は確認されておらず、安易な使用は思わぬ健康被害につながるおそれがあり、危険です。」としています。痩せる目的での処方は保険の対象外(自由診療)で、副作用が出ても、国の医薬品副作用被害救済制度について厚生労働省は「救済制度の救済給付を受けられない可能性が非常に高いです。」と書いています。

この記事は、使い方を自分で決めるためのものではありません。打ち方・量・打ち忘れたときの対応は、処方した医師・薬剤師の指示に従ってください。注射の器具(アテオス)の手順は、添付文書が「添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。」(8.14)としている、箱に入った取扱説明書で確かめてください。この記事では、その取扱説明書の手順は書いていません(今回、取扱説明書そのものを読めていないためです)。

先に答え:マンジャロの打ち方・打ち忘れ・保管の決まりは?(2026年10月31日確認)

  • 打つ場所:お腹・太もも・二の腕の皮下。同じ部位なら毎回場所を変える(3剤とも添付文書の14.2)
  • 曜日:週1回、同じ曜日(3剤とも7.1)。曜日を変えるときは前回から72時間以上あける
  • 打ち忘れ:マンジャロ・ゼップバウンドは、次の予定日まで72時間以上なら気づいたときに打ち、72時間未満なら打たない。ウゴービは同じ形で48時間
  • 増量:マンジャロは2.5mgで4週間→5mgが維持の量、最大15mg。ゼップバウンドは2.5mgから4週間ごとに10mgまで、ウゴービは0.25mgから4週間ごとに2.4mgまで
  • 2本打つ:ゼップバウンドとウゴービの患者向け資材に「2本以上組み合わせて使用しないでください。」。アテオスは1本が1回分
  • 保管:マンジャロ・ゼップバウンドは2~8℃の冷蔵で凍らせない。室温なら30℃以下・外箱のまま・21日以内。ウゴービSDは冷蔵だけ、ウゴービMDは使い始めたら室温(冷蔵庫も含む)で6週間以内
  • お酒:添付文書にあるのは、低血糖を起こすおそれがある状態としての「過度のアルコール摂取」だけ。何杯まで、という記載はない
  • 一緒に使う薬:経口避妊薬(ピル)は効果が弱まるおそれ(マンジャロ・ゼップバウンド)。ワルファリンなど治療域の狭い飲み薬は注意。同じ成分・同じ仲間の薬とは併用しない
  • 手術・麻酔:全身麻酔や深い鎮静で誤嚥(食べ物などが気管に入ること)が起きた例があると添付文書に書かれている(2026年5月の改訂の印が付いた項目)。手術や処置の前に、使っていることを伝える

出典は記事末尾の添付文書・厚生労働省などの資料。

この記事の作り方

  • 使った資料:医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している添付文書(マンジャロ 2026年9月改訂・第11版/ゼップバウンド 2026年9月改訂・第6版/ウゴービ皮下注SD 2026年6月改訂・第7版/ウゴービ皮下注MD 2026年6月改訂・第5版)、マンジャロの医薬品インタビューフォーム(医療関係者向けの詳しい資料。2026年9月改訂・第12版)、製薬会社が作った患者向け資材(ゼップバウンド:ZEP-N006(R3)・2026年5月作成/ウゴービ:JP26SEMO00090・2026年6月作成)、注射器の捨て方のパンフレット、厚生労働省の注意喚起のページ
  • 確認日:2026年10月31日
  • 引用:かぎかっこの中は資料の原文のままです。言い換えた部分にはかぎかっこを付けていません
  • 載せないもの:口コミ・体験談・個人の体重の変化の報告・クリニックの宣伝や料金の比較・効果の約束
  • 今回読めなかった資料:患者向医薬品ガイドと、くすりのしおり(どちらもくすりの適正使用協議会などのサイトがメンテナンス中でした)。アテオスとウゴービの取扱説明書も読めていません。そのため、注射の手順そのものはこの記事に書いていません
  • 3つの薬の関係:マンジャロとゼップバウンドは同じ成分(チルゼパチド)で、効能が違います。ウゴービは別の成分(セマグルチド)です。違いの詳しい整理はマンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービの違いの記事にまとめています

マンジャロの使い方は?アテオスとは?

マンジャロは週1回、自分で皮下に注射する薬です。添付文書は、自己注射について次のように書いています(8.14)。

本剤の自己注射にあたっては、患者に十分な教育訓練を実施した後、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもと実施すること。また、器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

つまり、打ち方は医療機関で教わり、自分で確実に打てると確かめてから始めるもので、手順は取扱説明書に書かれています。ゼップバウンドの添付文書(8.9)にも同じ文があります。

「アテオス」は、注射の器具の名前です。マンジャロの医薬品インタビューフォーム(第12版)によると、アテオスは注入器の中に1回分(0.5mL)の薬が入った注射器(プレフィルドシリンジ)があらかじめセットされたキットで、針を付けたり外したり、量を合わせたり、空打ちをしたりせずに、ボタンを押して投与する作りです。添付文書の包装の欄は、どの量でも「0.5mL×2キット」で、1箱に2本=2回分です(1回分×2本からの当編集部の計算)。

使う前には、添付文書(14.1)が「注入器の破損又は異常がないこと、薬液の変色や浮遊物がないことを確認すること。」としています。

マンジャロを打つ場所(部位)は?

3剤とも、打つのはお腹・太もも・二の腕の皮下です。同じ部位に打つときも、毎回少し場所を変えます。ウゴービは「2~3cm離す」と距離まで書かれています。

打つ場所の決まり(各添付文書の「14.2 薬剤投与時の注意」・2026年10月31日確認)
薬添付文書の文
マンジャロ・ゼップバウンド(チルゼパチド)「皮下注射は、腹部、大腿部又は上腕部に行う。同じ部位の中で注射する場合、毎回注射する場所を変更すること。静脈内及び筋肉内に投与しないこと。」
ウゴービ(セマグルチド)SD・MD「皮下注射は、腹部、大腿、上腕に行う。注射箇所は毎回変更し、少なくとも前回の注射箇所より2~3cm離すこと。」

大腿部=太もも、上腕部=二の腕のことです。マンジャロの添付文書の薬物動態の項(16.2)には、健康な成人54例(外国人データ)でお腹・二の腕・太ももに5mgを1回打った試験で、薬が体に入った量の比はお腹に対して二の腕0.99・太もも0.95だったと書かれています。どこに打つかは、医師・薬剤師の説明に合わせてください。

マンジャロを打つ曜日・間隔・タイミングは?

3剤の添付文書(7.1)は、どれも同じ文です。

本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。

間隔は週1回・毎週同じ曜日です。ゼップバウンドの患者向け資材にも「毎週同じ曜日に投与してください。」とあります。朝か夜か、食事の前か後か、という時間帯の決まりは、今回読んだ添付文書・インタビューフォーム・患者向け資材には見つけられませんでした。

参考までに、マンジャロの添付文書(16.1)には、日本人2型糖尿病患者29例で「半減期(t1/2)は約5~6日」(薬の血中の濃度が半分になるまでの時間)だったと書かれています。

マンジャロを打ち忘れたら?ゼップバウンド・ウゴービは?

打ち忘れたときの決まりは、チルゼパチド(マンジャロ・ゼップバウンド)は72時間、ウゴービは48時間で分かれます。マンジャロの添付文書(7.2)の原文はこうです。

投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。

打ち忘れたとき・曜日を変えるとき(マンジャロ第11版・ゼップバウンド第6版の7.2、ウゴービSD第7版・MD第5版の7.3・2026年10月31日確認)
薬次の予定日までが長いとき次の予定日までが短いとき曜日を変えるとき
マンジャロ・ゼップバウンド72時間(3日間)以上なら、気づいた時点ですぐ打ち、その後は決めた曜日に戻る72時間未満なら打たず、次の決めた曜日に打つ前回から72時間以上あける
ウゴービ48時間(2日間)以上なら、気づいた時点ですぐ打ち、その後は決めた曜日に戻る48時間未満なら打たず、次の決めた曜日に打つ前回から72時間以上あける

ウゴービの添付文書(7.3)の原文は「投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。」で、曜日を変えるときは「週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。」です。

読み方の例です(当編集部の計算)。毎週月曜の朝9時に打つと決めている人の場合です。

打ち忘れに気づいた時刻と、次の予定(月曜9時)までの時間(当編集部の計算・決まりは上の表)
気づいた時刻次の月曜9時までマンジャロ・ゼップバウンド(72時間で区切る)ウゴービ(48時間で区切る)
木曜9時96時間72時間以上48時間以上
土曜9時48時間72時間未満48時間以上
日曜9時24時間72時間未満48時間未満

土曜に気づいた場合のように、同じ時刻でもマンジャロとウゴービで扱いが変わることがあります。迷ったら自分で決めず、処方した医療機関か薬局に確かめてください。長く休んでしまったあとにどの量から再び始めるかは、添付文書には書かれていません(下の「資料に書かれていないこと」の節)。

マンジャロの増量はいつ?最大量は?5mgのままでいい?

量の上げ方は、3剤で違います。マンジャロは「週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量する。」で、5mgが維持の量です。5mgで効果が足りないときに4週間以上の間隔で2.5mgずつ上げることができ、「ただし、最大用量は週1回15mgまでとする。」と書かれています。

量の上げ方(各添付文書の「用法及び用量」「用法及び用量に関連する注意」の項・2026年10月31日確認)
薬始める量上げ方続ける量(維持)いちばん多い量
マンジャロ(2型糖尿病)2.5mgを4週間5mgで効果不十分なら、4週間以上の間隔で2.5mgずつ5mg15mg
ゼップバウンド(肥満症)2.5mg4週間の間隔で2.5mgずつ上げて10mgへ10mg(5mgまで減らす、または4週間以上の間隔で2.5mgずつ上げることもできる)15mg
ゼップバウンド(中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群)2.5mg4週間の間隔で2.5mgずつ上げて15mgへ15mg(忍容性が認められない場合は10~15mgの範囲で調整)15mg
ウゴービ(肥満症など)0.25mg4週間の間隔で0.5mg→1.0mg→1.7mg→2.4mg2.4mg(状態に応じて減らす)2.4mg

ゼップバウンドの添付文書(肥満症)は「通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5mgから開始し、4週間の間隔で2.5mgずつ増量し、週1回10mgを皮下注射する。」としたうえで、「患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5mgで治療を継続することも考慮すること。」(7.4)と書いています。忍容性(にんようせい)は、副作用に耐えて使い続けられるかどうか、という意味です。

また、マンジャロ・ゼップバウンドとも「胃腸障害等の発現により忍容性が得られない患者では減量又は漸増の延期を考慮すること。」(7.3)とあります。吐き気などがつらいときに量を上げるのを待つか・下げるかは、医師が決めることです。自分の判断で量を上げたり、2本を合わせて打ったりしないでください。

マンジャロを2.5mgのまま続けることについては、添付文書に2.5mgを維持の量とする書き方はありません(2.5mgは始める量です)。2.5mgのままにした場合の臨床試験の数字や、投与期間の決まりは臨床試験での体重の変化を整理した記事にまとめています。

マンジャロ2.5mgを2本打ってもいい?

同じ成分のゼップバウンドの患者向け資材(ZEP-N006(R3)・2026年5月作成)は、6つの量があることを説明したうえで、こう書いています。

2本以上組み合わせて使用しないでください。

ウゴービの患者向け資材「取り違え防止に関するお願い」(JP26SEMO00090・2026年6月作成)にも、同じ「2本以上組み合わせて使用しないでください。」があります。ウゴービのインタビューフォーム(2026年7月改訂・第6版)は、たとえば0.25mgを2本使って0.5mgにするような使い方について、手間が増えることと、誤った量を打つおそれがあることを理由に、複数本を一度に打つことは控えるよう書いています。ウゴービSDの添付文書(14.2.3)は「本剤は単回使用の製剤である。」です。

マンジャロについては、アテオスが1本=1回分(0.5mL)の作りであること(インタビューフォーム)までは確かめましたが、2本を組み合わせることに触れた文は、マンジャロの添付文書とインタビューフォームには見つけられませんでした。量を変えるときは、医師がその量の製品を処方します。

ゼップバウンドのアテオスとマンジャロの見分け方・ウゴービの針と空打ち

ゼップバウンドとマンジャロは、同じ形の注入器(アテオス)です。ゼップバウンドの患者向け資材は、箱とラベルの色で見分けるよう書いており、「ゼップバウンドの個装箱及びラベルは薄い緑色です。」としています。

ウゴービには2種類の器具があります。

ウゴービのSDとMDの違い(ウゴービ皮下注SD第7版・MD第5版の添付文書、患者向け資材 JP26SEMO00090・2026年10月31日確認)
項目ウゴービ皮下注SDウゴービ皮下注MD(ペン)
何回使えるか1回だけ(「本剤は単回使用の製剤である。」)1本で4回(「4回注射可能です。初回のみ動作確認が必要です。」)
針針が付いた注射器が注入器にセットされているA型専用注射針を使う。「注射後は必ず注射針を外すこと。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。」
1箱の本数(包装)2本2本

MDの「初回のみ動作確認」の具体的なやり方は、取扱説明書に書かれているもので、今回は読めていません。マンジャロ・ゼップバウンドのアテオスは、インタビューフォーム(マンジャロ)によると空打ちをしない作りです。

マンジャロの保管は冷蔵?持ち運び・旅行のときは?

マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書(20.1・20.2)は次のとおりです。

凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。凍結した場合は、使用しないこと。

室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で外箱から出さずに保存し、21日以内に使用すること。

保管の決まり(各添付文書の「取扱い上の注意」の項と貯法・2026年10月31日確認)
薬ふだん室温で置くとき凍ったら
マンジャロ・ゼップバウンド2~8℃(冷蔵)で、光を避ける30℃を超えない場所で、外箱から出さずに、21日以内に使う使わない
ウゴービSD「個装箱等により遮光し、凍結を避け、冷蔵庫(2~8℃)に保管すること。」室温で置くときの決まりは書かれていない凍結を避ける
ウゴービMD貯法は2~8℃(凍結を避ける)「使用開始後は遮光にて室温(冷蔵庫(2~8℃)も含む)に保管し、6週間以内に使用すること。」凍結を避ける(貯法)

旅行などで持ち歩くとき、マンジャロ・ゼップバウンドで添付文書から読めるのは30℃以下・外箱のまま・21日以内という室温の決まりまでです。保冷バッグの使い方や、飛行機に持ち込むときの手続きは、今回読んだ資料には書かれていませんでした。ウゴービSDは添付文書に室温の決まりが無いため、持ち歩くときの扱いは薬剤師に確かめてください。

マンジャロの捨て方は?

添付文書(マンジャロ8.14・ゼップバウンド8.9)は、医師が「器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。」としています。使い終わったアテオスの捨て方は、まず処方した医療機関・薬局の指示に従います。

注射器の捨て方の一般的な注意として、糖尿病医薬品・医療機器等適正化委員会のパンフレット「正しく捨ててる?在宅医療廃棄物」(配布元:ノボ ノルディスク ファーマ)には、次の文があります。

  • 「添付文書や取扱説明書に廃棄方法についての指示がある場合はそれに従ってください。」
  • 「ビン・缶などリサイクルに回る危険がある容器に入れて廃棄しないでください。」
  • 「公共の場所(ホテル、公衆トイレ、飲食店等)には絶対に廃棄しないでください。」

針などの鋭いものは「しっかりフタのできる固い容器に入れて散逸しないように廃棄してください。」とあり、薬局などが回収している地域もあるとしています。住んでいる市区町村によって集め方が違うので、分からないときは医療機関・薬局か、市区町村の窓口に問い合わせます。

マンジャロとお酒(アルコール)は?

マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書の注意の項で、お酒に触れているのは9.1.3だけです。「低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態」の一つとして「過度のアルコール摂取」が挙がっています(ウゴービの添付文書では「過度のアルコール摂取者」)。

マンジャロのインタビューフォームは、その理由を「アルコールを摂取すると肝での糖新生が抑制されて、低血糖が増悪するおそれがある。」と説明しています(糖新生=体が糖を作るはたらき)。

何杯までなら飲んでよいか、飲んではいけないか、という量や可否の記載は、マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービの添付文書、マンジャロのインタビューフォーム、ゼップバウンドの患者向け資材には見つけられませんでした。お酒を飲む習慣がある人は、受診のときに医師に伝えて確かめてください。

なお、マンジャロとアルコールで検索すると、注射の前に肌をふく「アルコール消毒」(アルコール綿)の話も混ざります。肌を消毒するかどうか・どう消毒するかは、今回読んだ添付文書・インタビューフォームには書かれていませんでした。取扱説明書と、医療機関で教わった手順に従ってください。

低血糖については、マンジャロの添付文書(8.5)に「低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。」とあります。低血糖の症状と、すぐ受診したほうがよい症状は副作用の記事にまとめています。

マンジャロとピル・ワーファリンなど、一緒に使う薬の注意は?

マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書の「併用注意」(10.2・一緒に使うときに注意する薬)には、糖尿病の薬のほかに、経口避妊薬(ピル)と、ワルファリンなどの治療域の狭い飲み薬が載っています。どちらも理由は「本剤の胃内容物排出遅延作用による。」(胃の中身が腸へ送られるのを遅くするはたらき)です。

一緒に使う薬の注意(マンジャロ第11版・ゼップバウンド第6版・ウゴービSD第7版・MD第5版の添付文書・2026年10月31日確認)
薬マンジャロ・ゼップバウンドウゴービ
経口避妊薬(ピル)「特に投与開始初期又は漸増後初期では併用する経口避妊薬の効果を減弱させるおそれがある。」(10.2)併用注意の表は糖尿病の薬だけで、経口避妊薬の行は無い
ワルファリンなど治療域の狭い飲み薬「治療域の狭い薬剤(経口剤)と併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。」(10.2)併用注意の表に行は無い
同じ成分・同じ仲間の薬マンジャロ:「本剤はチルゼパチドを含有しているため、ゼップバウンド等他のチルゼパチド含有製剤と併用しないこと。」(8.15)/ゼップバウンド:マンジャロなどのほか、ほかのGLP-1受容体作動薬とも併用しない(8.14)オゼンピックなどのセマグルチドの薬や、ほかのGLP-1受容体作動薬などと併用しない(8.12)
糖尿病の薬(インスリン・スルホニルウレア剤など)低血糖に注意(10.2)低血糖に注意(10.2)

ピル(経口避妊薬):マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書は、使い始めと量を上げた直後に、ピルの効果が弱まるおそれがあるとしています。あわせて9.4で「妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。」としています。ウゴービの添付文書(9.4)は「2ヵ月以内に妊娠を予定する女性では本剤の投与を中止すること。」です。ピルを使っている人は、処方を受けるときに必ず伝えてください。

ワーファリン(ワルファリン):添付文書の表の書き方は「クマリン系薬剤ワルファリンカリウム」で、「GLP-1受容体作動薬との併用によりワルファリンのtmaxが遅延したとの報告があり、類薬(エキセナチド)で出血を伴うINR増加が報告されている。」とあります(tmax=血中の濃度がいちばん高くなるまでの時間、INR=血の固まりにくさの検査の値)。この行は2026年5月の改訂(マンジャロ第10版・ゼップバウンド第5版)の印が付いています。

同じ仲間の薬:ゼップバウンドの患者向け資材は、ウゴービ・マンジャロ・リベルサス(飲み薬)・オゼンピックなどを挙げて、ゼップバウンドの前に使っていないことを確かめるよう書いています。ほかの医療機関でこれらの薬をもらっている場合も、必ず伝えてください。

マンジャロを使っていて手術・麻酔を受けるときは?

3剤の添付文書には「全身麻酔又は深い鎮静下の患者」の項(マンジャロ・ゼップバウンド9.1.6、ウゴービ9.1.5)があり、2026年5月の改訂(マンジャロ第10版・ゼップバウンド第5版・ウゴービSD第6版・MD第4版)の印が付いています。

GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。本剤は胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある。

誤嚥(ごえん)は、胃の中のものなどが気管に入ってしまうことです。手術前に言われたとおり食事を抜いていても起きた例がある、という内容です。マンジャロのインタビューフォームは、この項の説明として「全身麻酔又は深い鎮静中の肺誤嚥リスクを軽減する方法は確立されていない。」とし、手術や処置を受ける場合は「あらかじめ医療従事者に本剤を投与していることを知らせるよう患者に指導すること。」と書いています。

手術・麻酔・鎮静をともなう検査の予定があるときは、その医療機関に、マンジャロなどを使っていることを先に伝えてください。何日前から休むか、という決まりは今回読んだ資料には書かれていません。

マンジャロを人に売る・ネットで買うのは?

厚生労働省の注意喚起のページは、はっきり「GLP-1受容体作動薬等をインターネット等で個人間売買することは違法です。」と書いています。SNSやフリマサイトなどで手に入れた薬には、偽物や品質が落ちたものが含まれている可能性があるとして、「医薬品は必ず医療機関や薬局等の正規ルートを通じて入手してください。」としています。

処方された薬が余っても、人に売ったり渡したりせず、余った分の扱いは処方した医療機関・薬局に相談してください。

資料に書かれていないこと

読者がよく調べている次のことは、今回読んだ資料(マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービSD・ウゴービMDの添付文書、マンジャロとウゴービのインタビューフォーム、ゼップバウンドとウゴービの患者向け資材、注射器の捨て方のパンフレット、厚生労働省の注意喚起のページ)には記載を見つけられませんでした。

  • アテオスの具体的な手順(キャップの外し方・押し当て方・何秒押すか):取扱説明書に書かれているもので、今回は読めていません
  • 打つ時間帯(朝・夜、食前・食後)
  • 長く打たなかったあと、どの量から再び始めるか:添付文書の打ち忘れの決まりは、次の予定日までの時間で分けるものだけです
  • お酒の量の目安(何杯までよいか)
  • 注射の前の肌の消毒(アルコール綿)のやり方
  • 飛行機への持ち込み・保冷バッグの使い方
  • 手術の何日前に休むか
  • 人に譲ること(売るのではなく、あげること)についての書き方:厚生労働省のページの「違法」の文は「個人間売買」についての文です

受診のときに医師に確認しておきたいこと

  • アテオスの打ち方を、その場で一度練習できますか?取扱説明書のどこを読めばよいですか?
  • 打つ曜日は何曜日にしますか?曜日を変えたいときはどうすればよいですか?
  • 打ち忘れに気づいたとき、連絡すべきですか?自分で72時間(ウゴービは48時間)を数えてよいですか?
  • 量はいつ、どう変わる予定ですか?吐き気などがつらいときは、上げるのを待ちますか?
  • 旅行や帰省で持ち歩くとき、冷蔵できない日はどうすればよいですか?
  • 使い終わった注射器は、ここで回収してもらえますか?
  • お酒を飲む習慣があります。気をつけることはありますか?
  • ピル・ワルファリン・ほかの医療機関でもらっている薬・サプリがあります。一緒に使って大丈夫ですか?
  • 手術や内視鏡などの予定があるとき、いつまでに誰に伝えればよいですか?

よくある質問

マンジャロを打ち忘れたらどうする?

次の予定日まで72時間(3日間)以上あれば気づいた時点で打ち、72時間未満なら打たずに次の予定日に打つ、というのが添付文書(7.2)の決まりです。ゼップバウンドも同じで、ウゴービは48時間で区切ります。迷ったら処方した医療機関・薬局に確かめてください。

マンジャロはどこに打つ?

お腹・太もも・二の腕の皮下です。添付文書(14.2)は「同じ部位の中で注射する場合、毎回注射する場所を変更すること。」としています。静脈や筋肉には打ちません。

マンジャロの最大量は?

マンジャロの添付文書では週1回15mgが最大です。始めは2.5mgを4週間、そのあと5mgが維持の量で、5mgで効果が足りないときに4週間以上の間隔で2.5mgずつ上げられます。ゼップバウンドも15mgまで、ウゴービは2.4mgまでです。

マンジャロ2.5mgを2本打って5mgにしてもいい?

自分で組み合わせないでください。同じ成分のゼップバウンドとウゴービの患者向け資材には「2本以上組み合わせて使用しないでください。」と書かれています。アテオスは1本が1回分で、量を変えるときは医師がその量の製品を処方します。

マンジャロは冷蔵庫に入れないとだめ?

ふだんは2~8℃の冷蔵で、凍らせないように保管します。室温に置くときは、30℃を超えない場所で外箱から出さずに、21日以内に使うと添付文書(20.2)にあります。凍ったものは使いません。

マンジャロを使っている間、お酒は飲める?

添付文書にあるのは、低血糖を起こすおそれがある状態の一つとしての「過度のアルコール摂取」だけで、量や可否の記載はありません。飲む習慣がある人は医師に伝えて確かめてください。

マンジャロとピルは一緒に使える?

添付文書は併用注意として、使い始めと量を上げた直後にピル(経口避妊薬)の効果が弱まるおそれがあるとしています。避妊の必要性と方法の説明を受けることにもなっているので、処方のときに必ずピルを使っていることを伝えてください。

料金や解約の決まりを調べている人は、オンライン診療の医療ダイエットの料金の記事と解約・返金の記事も参考にしてください。体調の変化が気になるときは副作用の記事へ。

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出典